植村牧場 〜小さな街の牧童たち〜

 明治16年から奈良の中心で牧場を営む植村牧場。4代目牧場主黒瀬礼子さんは30年前、人手不足から当時の養護学校卒業生3人を採用した。その試みはお互いにとって上手くいく。以来植村牧場の担い手は住み込みで働く10数人の知的障害者。そこには近年のグループホームや作業所のような整った感じはまるでない。「あんたら働けへんかったら出て行ってもらうで!」牧場主の声の通り、まさに働き手として存在している。

 1992年に製作された短編映画「小さな街の牧童たち」以来、先輩から引き継ぎ、事あるごとに撮影を続けてきた。あらためてこの記録を通して地域と障害者のあり方を見つめる