オレの記念日

苦難は喜びの種だ
どんなに辛いことや苦しいことがあったとしても、
それを喜びに変えられるのが人生だと思っている
桜井昌司

20歳の時に殺人犯にでっちあげられ、青春真っ只中の29年間を獄中で過ごした桜井昌司(75)さん。嘘の自白を強要され、無期懲役が確定した直後はどん底を味わった。しかし彼はいつか娑婆に出て無罪を勝ち取るまで超ポジティブに生きると決めた。刑務所では靴職人として腕を磨き、本を読み体を鍛え、そして獄中での思いを作詞作曲して歌にも残した。1996年ようやく仮出獄。しかし49歳からの娑婆での再スタートも波乱万丈だった。殺人犯のレッテルが貼られたままでの仕事、結婚、拘禁症、共犯者とされていた杉山卓男(享年69)さんとのいさかいなど…。さらに2019年には末期の肺ガンを患い、余命1年と宣告された。桜井さんは言う「苦難は喜びの種だ。どんなに辛いことや苦しいことがあったとしても、それを喜びに変えられるのが人生だと思っている」と。

 再審開始、無罪判決、国家賠償裁判の勝利…。苦難をことごとく逆転してきた桜井昌司さん。そして今も、冤罪被害者の支援やライブ活動など精力的に全国を駆け巡りながら、ガンさえ乗り越えようとしている。

人生の一瞬一瞬、全てが桜井さんにとっての「記念日」のように思える。

カメラは無罪判決の前年から12年を記録。桜井さんの超ポジティブ人生を描く。