袴田巖 夢の間の世の中

2016年/119分/日本/ドキュメンタリー映画 
冤罪ながら死刑囚
しかし、私は勝つのだ ーーー袴田巖
2014年3月27日。「袴田事件再審決定!」は、トップニュースで伝えられた。「重要な証拠が捜査機関によってねつ造された疑いがある」。「これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」。48年の拘禁生活から解き放たれた袴田巖さんだが、肉体は解放されても、長い拘禁によって精神は縛られ、感情は固く閉ざされたままのようだった。映画は、袴田巖さんと姉・ひで子さんの暮らしに寄り添い、巖さんの「妄想の世界」を日常という「現実の世界」がゆっくりと包んでいくようすを映し出す。布団で寝る、買い物に行く、好物のあんぱんを食べる、テレビを見る、うたた寝をする……。生きることの尊さを静かに語りかけていく。第4回 日隅一雄・情報流通促進賞大賞。

「巖さんの存在自体が放つ強烈なメッセージをしっかりと受け止め、一人ひとりに映画を届けること。それが私にとっての『夢の間の世の中』だと思っている」(金 聖雄)

予告編